Warning: include(inc/config.php): failed to open stream: No such file or directory in /home/smartservice/www/smartmusic.jp/index.php on line 5

Warning: include(): Failed opening 'inc/config.php' for inclusion (include_path='/home/smartservice/www/smartservice.jp') in /home/smartservice/www/smartmusic.jp/index.php on line 5
スマートミュージック - Smart Music

クラウドとは何か、音楽に関してはそれでどんなことができるのか。 クラウド型音楽サービスを代表する3つのタイプ ――なんだか難しそうなクラウドの定義なのですが、どうお考えでしょうか? 今までパソコンって、いろいろ面倒くさい設定をしなければ便利に使えなかったのが、ネットワークにつながっていれば、あらゆることが簡単になるってことかもしれません。 ――なるほど。では、音楽サービスにおいてクラウドというと、どんなことになるのでしょうか? まず、さっきのクラウドの定義からすると、音楽の場合はもう少し絞り込まれてきます。“Anywhere,anytime,from any device”っていうのが一番わかりやすいかな。好きなときに、どこにいても、どのデバイスからでも自分の好きなモノにアクセスできる。それがクラウド型音楽配信だと思ってます。だから、実はクラウドってふうにいわなくても、WEBラジオに近い体験なんですよね。要は、ストレージの容量を気にしないで使えるってことかもしれません。ほかにもユーザーの試聴履歴を貯めて、どうやってサービスに反映させるかってことにも応用できますね。今まで音楽をたれ流していたWEBラジオに、プラスな要素を持って現れたのがクラウド型音楽配信なのかもしれません。 ――そう考えるとわかりやすいですね。 なので、クラウド型音楽サービスはおおまかに分けて3タイプあると思っているんですが、そのひとつは「パーソナライズドラジオ」って呼び方が良いかなと思ってます。リスナーの好みを最適化していくようなサービスって、そもそもクラウド型音楽配信なんですよね。 ――オススメを提案してくれたり、試聴ログを記録してくれるPANDRAやLAST.FM的なサービスですね。 そうそう。そして、2つめは「オンラインジュークボックス」的なサービスですね。これはたくさんの曲のなかから、好きな曲を好きなときに自由に聴くサービスってことですね。自分が聴きたいものを探して、聴くこともできる、っていうのがポイントかな。これは、ラジオとは若干違うんです。ラジオは、自分の好みのステーションがあって、聴きたいときに聴きたい曲が必ず流れるかといったら、そうではない。でもオンラインジュークボックスは、自分でリクエストをして、自分で聴きたいものを聴けるという。 ――いわゆる、Spotify、RHAPSODY、Napster的なサービスのことですよね。 そう、一番可能性的には大きなサービスじゃないかな。あと3つめは「デジタルロッカーサービス」。これは、自分が持っている音源データを、ネット上にアップロードして預けて、いつでも、どんなデバイスでも聴けるようにするサービスですね。 ――Mspot.やAmazon、Google Musicが提供しているサービスですね。 これも、自分の音源をクラウド上にアップするという点では、わかりやすい形ですね。前の2つとはちょっと違う趣なサービスですけど。この3つを合わせて、音楽系のクラウドサービスといっても良いんじゃないかなって思ってます。 水や電気と同じような次世代のビジネスモデル ――「楽曲やアルバムを選んで購入して所有する時代」から「アクセス権を買う時代」に変わることが大きなポイントでしょうか? たぶんユーザー側からすると、そういう意識すら必要ないかもしれません。逆のいい方をすれば、ユーザーにそういう意識をさせないってことが大事だと思うんです。それを、いわゆる音楽業界側が、再生回数や使い勝手など「アクセスコントロール」によって、マネタイズすることが大事ですね。それが次世代のビジネスモデルだと思ってます。 ――蛇口をひねれば水が出てくる水道や、スイッチひとつでオンオフできる電気のようなインフラ的なシステムですね。 そうそう。でも、水だって電気だって、お金を払ってるワケじゃないですか。だからこそビジネスモデルが課題なんだろうなって思います。 ――そんななか、海外の大きな成功例のひとつとしてSpotifyがあるんですね? 現段階で、音楽ファンの立場から考えられるひとつの理想型だと思ってます。もちろんそのうえで、こんなに便利で、お手頃で、大丈夫なのかな?って思いももちろんあります。なのに、何で一生懸命このサービスについて研究してるかっていうと、ユーザー体験として非常に充実感があったからなんです。今後Spotifyがどうなっていくかはまだわからないですけど、これが近い将来、ひとつのモデルになることは間違いないだろうなって思いました。それを、著作権事業者の立場である自分が、身をもって触れておくことは重要だなって思ったんですね。 ――荒川さんが感じた充実感とは、使い勝手の良さってことなんでしょうか? 現時点では「CD×iPod」や、「iTunes×iPod」、もしくは「携帯電話×着うた」というのが一番の音楽の聴かれ方だと思いますが。 使い勝手としては、インターフェースがiTunesに近いんですね。しかもレスポンスの良さも素晴らしいんです。これまで使っていた自分のiTunesのライブラリーと連携もすることもできます。さらに良い点をあげるとしたら「アーティストラジオ」って機能があるんですね。この機能が、さっきの分類でいくと「パーソナライズドラジオ」と近いんですよ。たとえば、好きなアーティストがいて、自分がそのアーティストの音楽を聴くと、関連性の深い楽曲を、ずーっとラジオ風に再生し続けてくれるんですね。で、7曲目にかかったこの曲が良いなって思ったら、それをチェックしておくことができて、そのアーティストだけを聴くこともできるし、単曲買いすることもできちゃうんですよ。そんな、ある種のネットサーフィン的な楽しみ方が自然にできるんですね。それが音楽体験として絶妙だったんです。 ――ひとつのインフラ兼再生プレイヤーで、楽しみ方が完結できるわけですね。 もうひとつあげるとしたら、これは最近の出来事なんですけど、SpotifyはFacebookと提携を発表して、親和性を高めているんですね。そうすると、Facebookを通じて自分が聴いてる曲の記録を残せるし、フレンドが聴いてる楽曲との新しい出会いもあるんです。音楽を通じて、自分の趣味に近い人を知れたりって楽しくないですか? しかもSpotifyで作ったプレイリストって、まるごと交換もできるんですね。その感覚って、80年代でいう「ミックステープ交換」に近いんですよ。あと、「コラボレーティブプレイリスト」って機能もあって、ネット上で友人とコラボしながらプレイリストを作ることもできます。 ――音楽がSpotifyによってソーシャル化されることで、ネット上でコミュニケーションツールになるんですね。 そうですね。それに、インターフェースがiTunesに似ていることもあって使いやすいし、曲を聴こうと決めて、クリックして即座に楽曲が立ち上がるスピードも速いんですよ。このサクサク動く感じが良いですね。ストリーミングなのに、なかなか再生されないっていうストレスはほとんどないんです。 ――そうなると、エンコードだろうが、ダウンロードだろうが、ストリーミングであろうが、ってことを考えなくなるんですね。 まったく意識しないですね。そんな意味でまさに“Anytime, anywhere from any device”なんです。なのに、1,600万曲を聴き放題で、しかも音楽がコミュニケーションツールになるってところが圧倒的に面白いですよね。 クラウド型音楽サービスがなぜ日本ではほぼ皆無なのか ――ちなみに、まだ日本ではまだSpotifyのサービスを使えなかったりしますが、その理由としては、レコード会社の楽曲のライセンス問題が大きいのでしょうか? そうでしょうね。でも、ここ半年ぐらいで興味を持っている業界人も増えてきたと思います。それまではどちらかといえば、敵視するような方が多かったと思うんですけどね…。もちろんSpotifyが日本に来たら、CDが売れなくなるかもという不安感に対して、なんらかの答えを持ってるかって聞かれたら、僕もまだ探してる状態です。だけど、少し話がそれるんですけど、先日Appleのスティーブ・ジョブズが亡くなって、『スティーブ・ジョブズ』って本が出たじゃないですか? あのなかで、彼のビジネスのルールってとこで「共食いを恐れるな」ってあったんですね。そもそもiPhoneってiPodのマーケットを食ってしまうデバイスじゃないですか? でも、自分で自分を食わなければ、誰かに食われるだけだろう、と。誰かに食われるのを恐れるがあまり、身動きできずに死を待つぐらいだったら、自分でその先へ進んで、自分で食っちゃえば良いワケですよね? もちろん、必ずしも彼のいってることがすべて正しいとは思わないんですけど、すごく示唆的だなって思ったんですね。 スウェーデンでは違法配信が前年比52%減少 ――そういえば、日本でクラウド型音楽サービス」としては、かつてNapsterがありました。アメリカではRHAPSODYなど、Spotify的なサブスクリプション型サービスは以前からあったわけですが、なぜSpotifyだけが大成功を収めつつあるのでしょうか? これは3点あって、やっぱりストリーミングを感じさせない使い勝手の良さと、iPhoneアプリにいち早く対応したこと、あともっとも大事なことだと思うのが、メジャーメーカーが出資してるなど、音楽業界においてのビジネスルールを守ってきたことだと思います。実際、ストックホルムに行ってSpotifyのスタッフに会ってきましたが、音楽への愛情を強く感じるチームでした。そもそも、違法配信を撲滅するためにスタートしたサービスでもあるんですよね。実際、2010年には、スウェーデンの違法配信が、前年に比べて52%減少したって結果も出てきているようです。 ――とはいえ、コールドプレイが新アルバム『Mylo Xyloto』をSpotifyで配信しなかったから、イギリスでのデジタルアルバム販売の新記録を樹立したなんてニュースもありました。 Spotifyについてネガティブに語るニュースがいくつかありましたけど、あの記事って断片だけ切り取ってる感じがするんですよね。そもそもコールドプレイって、あの新譜以外、全部Spotifyに出してるんですよ。なのであの新譜も、たぶん今後だしてくると思うんですね。そのへんがわりとSpotifyを評価してるところで、ほかの多くの配信系サービスって、たとえば変な縛りとか、結構みんないうんですよ。Spotifyは、アーティストの希望に添うというか、結構融通が利くんですよね。だから、逆にレディー・ガガとか、Spotify先行リリースをやっているアーティストも多いんです。Spotifyのプレミアム会員向けに、全世界リリースの3日前からストリームで聴けるようにするとか。あと最近だとゴリラズは今年10周年だそうなんですけど、特別キャンペーンでラジオ的な番組をSpotify上でやってるんですよ。そのメディアっぽい使い方が、プロモーション効果もあるし、ちょっと面白いなと思ってたりします。